お稽古の記録

初めての稽古

西暦2018年2月24日土曜日

旧暦1月9日 睦月 雨水

東京

 

かねてよりやってみたかった、茶道。

いわゆる「お茶」という世界。

母国である日本のことは、知っているようで、よく知らない。

海外で暮らしていた時、嫌でも異文化との対立に晒され、毎日のように苦心した。

その中、日本に対する興味が強まっていったことは、自然の流れであったのかもしれない。

日本の文化、歴史、芸術、季節、自然。お茶とは、そういったものが総合的に含まれたものだと聞いていた。

帰国したら一度はその世界を覗いてみようと考え、友人伝いに教室を紹介して頂いた。

すでに3~4回ほど、お客さんとして遊びに来させて頂いている。

「いいよ〜、お茶とお菓子を出してあげるから、遊びにおいで〜」

お言葉に甘え、何回も手ぶらでお邪魔した。

お茶とお菓子がこれほど美味しいものかと驚いた。

稽古場の静けさと、釜の音が心地よく、何度もウトウトと眠りそうになった。

先生方や他のみなさんとお話ししていても、学ぶことばかりで楽しい。

そしてなぜか自分も自然体でいられる。

長時間の正座が心配だが、やってみよう。

いよいよ心を決め、正式に習わせていただきたいと、先生方に伝える。

そしてこの日、初めての稽古となった。

稽古場に行くと、すでに自分のために道具を用意してくださっていた。

帛紗、扇子、懐紙。

帛紗捌きを教えていただく。

布一枚だけでも丁寧に扱う。

全然上手くいかない。

床には「和敬清寂」の4文字。

お互いに和をもって心を開き、敬い合い、清らかで、動じない心をもつこと。

帰宅してから調べてみた。

千利休の茶の湯の精神を言い表した言葉だと言われていて、茶道の基本の中の基本らしい。

わざわざ自分の稽古初めに合わせてかけて頂いたことが想像できた。

先生に感謝。