お稽古の記録

【3月】雪間の草

200314

西暦2020年3月14日土曜日

旧暦2月20日 如月 啓蟄

東京 雨のち雪

 

3月も中旬に入り、温かみが増してきたこの頃。

起きると寒く、外は雨が降っている。天気予報を確認すると、一日、雨。

お稽古に伺うために家を出る。いつものジャケットを着ていても、身体が縮こまる。

こんな寒い日は、釜からモクモクと立ち上がる湯気が御馳走。

お道具のひとつに「雪間の草」との銘。

今日は確かに寒いけれども、すでに3月も中旬だし、さすがに雪は無いかなと思いつつ、お稽古が始まれば無心でお茶を点てる。

いつもの静かな時間。

小一時間ほど過ぎた頃。

「そろそろかな」と一言、大先生。

窓の外に目をやると、なんと牡丹雪。

どんどんどんどんと、空から降り落ちてくる。

静かに味わう。

帰り道、数時間前よりも傘の重みを感じる。

コインランドリーの前を通ると、ここでもモクモクと湯気が立ち昇る。

胸の奥が楽しくなる。

今日もお茶の魔法を教えて頂いた。

200314